１０．Open the door

私が　申し込んだ　セラピスト養成講座がはじまった。

講習３日目

さあ　いよいよ　受講者が互いを相手に実践を直接行うはじめての日。

私が　セラピスト役をして　そして次は　クライアント役となる。

 

受講３日目のセラピスト実習生の誘導で　私は　光の中へ入っていった。

ゆっくりゆっくりと…

 

 

苦しい。苦しい。体が動かない。私は　苦痛。８歳の女の子。

「あなたの名前は？年は？」

「私は8歳　私の名前は　ないの」

それを聞いていた私も含め　たぶん周りのみんなは　名前のない子かと思っていたと思う。セッション中　ずっと　私は　どうして年齢がわかるのに　彼女の名前はないんだろうって考えつづけていた。

8歳の女の子の名前はナイノ。　

セッション後に感じたことだけど　たぶんロシアの女の子で　名前はナイノ。

 

　恐ろしい体験をしている。　それが　何なのかは　わからない。

でも　うめいて

「　やめてやめて」

と叫び　大声で泣きつづけている。

　足をばたつかせて強くいやがる。

いやがる。

なかなかおわらない。

すごくいやがる。

拒否反応。

たえられない。

うめき声を出しっぱなし。

足をばたつかせて　手を動かし何かをさえぎろうとしている　私。

はっと　思いだした。

これは　私が手術後に毎晩うなされていたうめき声と同じものだった。

私は　2000年　４月癌の告知を受け　いろいろなプロセスの後　７月に子宮摘出手術を受けた。その後　私は　医者から　完治と判断を受け　現在に至っている。

でも　　退院してからの私の夜の睡眠は　毎日のように　　

「うーーーん」「うーーー」

とうめき声を数回あげていた。

実際にどこが痛むでもないが　悲痛のうめき声だった。

横に寝ている夫も「どうしてだろう」と気になり　私も気になっていた。

これはいったいなんなのだろう。

本当の癌の痛みなどは　もう完治という判断を医師から受け取っているのであるはずがないのに。

このうめき声は何？

癌と向かい合った日々が終了している今　　夫と共に　私は　このうめき声の理由が気になっていた。　

そして　そんな中　このワークに参加した。

 

この過去世体験が　癌と同一のものと私の感覚は確信した。

この８歳の女の子の記憶が　子宮摘出後の毎夜のうなされているうめき声とつながっていた。

 

しばらくの間　私はうめいて　泣き叫びつづけた後に静かになった。

「終わった」

「すべてがおわった」

「やっと終わったという感じ」と話した。

私は静かになった。

「あなたは今どこにいますか？」

「寝ている。横たわっている。うごかない　私は死んでいる」

「まわりを見まわしてみてください。」

「いやだ　見たくない。絶対にいや」

といいながら　再び泣き叫ぶ。

涙とうめき声がとまらない。再び　体の感覚も　心の感覚も混乱する。

 

（間があく）

 

しばらくして落ち着いた。

「ちょっと体から離れて上にいって見ましょう・

そして8歳の女の子の傷ついたハートを光の中に包み込みそして上へ行きましょう。」

「今どこにいますか？」

「しろいところ　なんにもなくて白いところ」

「さあ　上から眺めて見ましょう。何がみえますか？」

「いやだいやだ　みたくない　」

再び泣き叫びのたうち回る

 

（間があく）

 

静かになる。

「もっと上の方に行きましょう。もっともっと上へ　光につつまれて　」

 

（間があく）

　

「ありがとう　上にしてくれて。

ここにいたいの　下にいくのは　いやなの　

ここにずーーーっといたいの　もうみたくないの」

 

（間があく）

 

「光に包まれてもっとずっと上の方へいきましょうか？」

「うん」

「ずっとずっと上へ上へ行きましょう」

 

（間があく）

「何がみえますか？」

 

（間があく）

「なんだか涙がでてくる。涙がとまらない。涙がぜんぜんとまらない。

でもさっきの怖い涙じゃない。

いやな涙なんかじゃない。

それとは　違う涙。

幸せいっぱいのなみだ　。

う・れ・し・い　・

とってもうれしい　うれしい涙。

涙があふれでてきて　とまらないの」

わんわん泣きつづける。

「私は　ここが好き。

ずっとここに居たいの。

ここがいいの。下にはいきたくないの」

「何がみえますか？」

「なんにもみえない」

「あなたは　どんな形をしていますか？」

「形をしていないの」

 

（間があく）

 

「あっ　何個も光がいっぱいいるよ」

「みんながいるよ。このみんなと一緒にいたいの」

「ずっとここがいいの」

 

（間があく）

 

「でも　私はいかなくちゃ　行かなきゃならないの」

「どうしてですか」

「私が決めたことなの　私はやることがあるの　もう一回って決めたことなの　そのために行かなきゃならないの」

「どこへ行くのですか？」

「あっち」

「あっちってどこですか」

「わかるでしょ　あっちに決まっているじゃないの」

「わかんないなぁ」

このあたりから　セラピストの口調がこどもに話しかけるみたいになった。

私は　そのほうが話しやすかった。きっとこの８歳の少女が話しているのだから。

「下の方」

「何をする為にいくのかなぁ」

「わかんない　することがあるの　そのためにおりていくのよ」

「いったいどんなことなのかなぁ」

「うん　言わなきゃって思うの　伝えなきゃいけないことがあるの」

「誰にかな？」

「うん　みんな　みんな　いっぱい、いっぱい　とてもたくさんの人に伝えることがあるの。いっぱい、いっぱい一たくさんの人に　いっぱい、いっぱい々々………・」

 

「何を伝えるのかなぁ？」

「なんだかわかんない」

「何かなぁ？」

「うん　ここのこと」

「それって何かなぁ？」

「でもね　それはみんなの知らないこと」

「それを言うとみんなはどう思うの・？」

「うん　びっくりしちゃうの」

「どうしてびっくりしちゃうのかなぁ？」

「知らなかったことだから」

「あなたは　誰かにそのことを話してみたことがあるの？」

「うん　あるよ　いっつも話してるの　いろんな人に。　

でも　みんなわかってくれないの」

「どうしてわかってくれないのかなぁ？」

 

（間があく）

 

「それはね　私の胸がふさがっているからなの。　

ここを開けると　みんなに言えるの　みんなに伝わるの」

「どうやったら胸がひらくのかなぁ？」

「　うーーーんわかんない」

 

（間があく）

 

左の上の方から声が聞こえた。

「あっ今　こっちから声がした。胸を開けてくれるところがあるよって」

 

「さて時間です。戻りましょう。」

あらかじめ決まっていた実習の時間が終了してしまったようだ。

 

なかなか戻れない。

 

（間があく）

　

ずっと時間が過ぎて　今世にもどってきた。

そのとき　自分の体にもどる瞬間の長い時間に体が呼吸をしていないことを私は感じた。

呼吸していないってこういう状態なんだってしみじみと感心しながら　呼吸をしていなくても　何分でも平気な自分を感じた。

ゆっくりと楽しみながら戻ってきた　今世の体の中に。

 

「さあ　あなたは　この部屋に戻ってきました。　

　さあ目を覚ましてごらんなさい」

静かに目を開ける。

私は　戻ってきた。

その直後　笑いがとまらない。

なぜか　私はおかしくておかしくて　笑いがとまらなくなってしまった。

おかしくておかしくておかしくておかしくて　その笑い転げた感覚は今でもはっきり覚えている。　

そして　セラピスト役の人に　その横にいる講師の方に　まわりのみんなに　大きな声で

「今　この瞬間　胸がひらいた。閉じていたふたがあいた」

ってさけんでいた。

そして周りにいるみんなも私と一緒に笑ってくれた。

 

私は　「誰がこの胸を開けてくれるのかなぁ」って思いながら　今世の肉体に戻ってきたその瞬間に　ぱかって　私の胸がひらいた。

私の胸をあけてくれるところって　ここだったんだ。

ここって知ったとたんに　なぜか　おっかしくておかしくて笑いたくなってしまって大きな声で笑ってしまった。

この笑い、　そして私の胸がぱかっとひらいた時の　この開放した感じ。

いままでで　初めての開放された感覚だった。直接　私の魂の扉が開いた。

 

 

私は　講座の1日目・2日目も　前世を見た。

美しい自然の光景ばかり。

一つは　光の海　一面にひろーーーくひろがっている光の海。

そして　もう一つは　山並みにおおきなきれいな夕日。

オレンジ色と赤と白に輝く美しい夕日を見ていた。

だから　実践個人セッションは　今度はどんなところにつれていってくれるのだろうかって　とっても楽しみにしていた。

まさか　いきなり　あの苦しい場面に出会うとは思いもしなかった。

セッションの前半は苦しかった。

でも　後半は　とてもいい気持ちになった

　８歳の女の子の苦しい恐ろしい体験を再び感じたけれども

講座が終了して　解散するときには　　ヒーラーの人にもバイハ゛イって手をふってランランランとおかしくて笑い出す気持ちを押さえながら　帰っていった。

 

 

私は　子宮を摘出した。

なぜならば　前世を思い出す作業が必要だったから。

8才の女の子の痛ましい経験は　私のすぐ一つ前の前世。

８歳の女の子がひどい目にあうことで　そのショックを体が記憶していて今世でその部分が傷つくことで合図を送っていた。

知らせつづけていたんだ。

癌の手術をもって　同じ痛みを呼び起こして　術後の毎晩　前世に入り　痛みを起こして訴えていたんだ。

気づけよって。思いだしなさいって。

そしてこの気づきをおこなうために癌という　病気の因縁を今世の出演者　皆が演じてくれて　私もそのレールに乗り　そしてこの講座に出会うことをセッティングしたんだ。

そして　本当の理由を知るためにいろいろなワークをさせて　前世のことを思い出させることにしていたんだ。

そして今世の目的。　このまま進めよ　そして　皆に知らせなさい。本当のことを。本当の話を。

 

Open the door

私のドアはあいた　ひらいた。

 

神とかではない。

それはみんなだった　。

そこにはみんながいた。

神が決めることではなくて　自分自身の　私の魂が　決めることだった　何でも。

私が選んでいることがわかった。

「私がいつも思っていた神におまかせ」って自分におまかせってことだったんだ。

「神」という言葉は　みんなにわかりやすくするための象徴だったんだ。

実は自分なんだ。

神＝自分ということを実感した。

上って指さすけれども　確かに上なのだけど　上ではなくて　私の中にあった。

魂の源が。

みんなが　私の仲間が　そこで　ぷかぷかきらきら。

まだ説明がうまくできないけれども　みんな一緒でみんな一緒だけどもみんなバラバラの個で。

何をしていたのか　言葉は話さないけれども　何を言っているのかは　わかった。

 

その場所が気持ちいいけど　

神とコンタクトではなくて　己の魂をひらいたんだ。

それをコンタクトっていうんだ。

そして神は上ではない　ここのハートの中であり　魂はここにある。


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