私は　夢をみた。

病気が進行してしまって　フラフラになり　

「もうだめ　これ以上は　つづけられない。ごめんね」

私は　手術を受けようとしていた。

子ども達も私を見ている。

「私は　元気だったのに　もうだめみたい」とつぶやいている。

そして　目がさめた。

「そうだ　書かなくては」

と起きた直後に思った。

家のことは　いつも私が何でもしていた。

年賀状も　挨拶状も。

私は　手紙を書くことが得意だった。

だから　「私が死んだ後も　家族達がこまらないように」と　。

私は自分の人生の　あと片付けにとりかかった。　

死んだ後に夫が出してくれるであろう　みんなに出す手紙を私は書いた。

それぞれの住所を書き入れ　切手も用意した。

私か゛いなくなったら　家族のみんなは何にもできないからと決めつけていた。

そう思って　火葬場のやり方・支払う金額・その業者の電話番号もしらべた。　

それらを書きいれた　メモを残しておいた。

私は　母が癌で死んだ時と同じように　自分なりの完璧さで自分の人生を終わらせようと考えていた。

それは　とても満足がして　自分で選びとった死という感覚になっていた。

そして　誰にも気づかれない場所にそれらを隠して　その隠し場所を書いたメモを　病院へ戻る時　持っていくバッグに入れた。

私は　満足していた。

自分の死ぬときにまで　自分でコントロール出来たことがうれしかった。

夫は　こんな手紙を書いていることは　知らない。

しかし　その日に夫は　動いた。

　

「これしかない。お願いだから　ここにいってくれ」

アメリカへのコンタクトを強く　夫は　私に　懇願した。

ヒーリングを受けてほしいと　希望した。

私は　手術の後　死ぬと感じていた。

死ぬことがなくても　当然のように　長期にわたる入院で癌治療が始まるであろうと感じていた。

「どうせ死ぬなら同じ。試してみようか？私も癌になった理由が知りたいから」

という気持ちに変わった。

癌は進行してしまい　手遅れになるかもしれない。

でも　私は　このまま死んでしまうよりも　自分がここにいる理由・癌になった理由が一番知りたかった。

すぐに　紹介された日本人ヒーラーに連絡をしてみた。

ヒーラーは　翌日　私と会い　会話をする時間を作ってくれた。

そして　ハンドヒーリンク治療もおこなってくれた。

「初日なので　癌のある患部には　直接さわらないようにしましょう」

ということで　ヒーリングセッションがはじまった。

体がすっきりとした。

足先から　ひざ　もも　尾悌骨と順々にヒーリングするポイントが上へあがってきた。

私の癌のいる子宮。

そこでは　中心から　何かを散らすようにヒーリングを行っていた。

胃の部分にきたときには　胃がとても活発になったらしくて　ぐるぐるぐるぐるといっていた。

私の胸のところをヒーリングしている最中だった。

ものすごい迷いが心の中をうめた。

「手術は断ろうね」という声が聞こえてきた。

そして頭の前の部分にくると　とってもすっきりとしていた。

その日　帰宅して　夫に告げた。

「私　手術は　受けない」と。

私には　他にすることがあった。

夫は　私が　手術ではなく　ヒーリング治療を受けることを選んで　とても安心していた。

それからヒーラーの所へ　毎日のように通った。

ヒーラーは　ハンドヒーリング治療と共に　東洋医学の漢方と良いエネルギーを持つ水の飲用をすすめた。食事療法もはじめた。私は　提示されるまま　何でも取り入れた。

私は　癌の告知により相変わらず心は　ふらふらと　していた。　死ぬことも　手術を受けることも　ヒーリングセッションも　私にとっては　どれも同じという　なげやりな考え方の中で生きつづけていた。

それでも　毎日のように通ってくる私をヒーラーは　受け入れてくれていた。

私は　完全にエネルギーバランスをくずしていた。

ヒーラーは　真剣だった。ある時には　とてもきびしく

そしてある時には　とても優しかった。

私の人生の道を前へ進めるお手伝いをしてくれる魂だった。

これなら　いっそ　手術を選んでしまったほうが楽と思えるほどの心の試練を受け取ることもたびたびあった。

ただ　ヒーラーは　私の何重にも折り重なっている胸（ハート）のとびらをあけることに集中しているように感じられた。

セッションの後　毎回　何がしかの宿題をもらった。

そして　翌日には　私もがんばるというのではなく　なんとなく自然の流れで　不思議と　その宿題が完了できているということが続いた。

ヒーリングのおかげで　私のハートは　何枚も何枚もとびらを開ける音を感じた。

何回かのセッションの末　気づいてみると　私は　音信不通にしていた親戚達と再びつながっていた。

こども達も癌の病気を知り　私と一緒に癌と向き合ってくれていた。

私の家庭は　私が癌だというのに　明るくなり　そして　毎日過ごすことが楽しいと感じられさえした。


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