入院すると　一番にかけつけてきてくれたのが　ある宗教団体に所属して　幹部クラスになっているおばであった。

彼女は　今信じている最高の方法を持って私の癌を癒そうとしてくれた。

私は　心よく受け入れ　そして　入院しているベッドの上で　その彼女の云うところの治療を受けた。とても気持ちがよかった。

彼女は　毎回私に愛を送ってくれた。

彼女は　新興宗教の団体に所属していた。

もう　３０年近く在籍しているかと思う。

そこの教えを何よりも優先にしているので　いつでも　そのシンボルを中心に考えていた。

まわりの人達は　そのことが理解できないので時として　親戚の間で　輪からはずされてしまうこともあった。

でも　彼女はいつでも楽しそうである。

私も　近い親戚ではあったが　なかなか　交流する機会がなかった

でも　彼女は　私の身体的危機のたびに　それを耳にして　駆けつけてきていた。

その時は　自分の信じている　癒す力を使い　私に施していた。

彼女は　誰にでも　その力を施していた。

時として　宗教をいやがる人達には　いやな目で　見られてしまうことも　多々あった。

私の病室におとずれた時にも　自分の力を施したくてやってきた。

しかし　私が　受け取ってくれるだろうかと心配だったのだろう。　雑談をしながら　言い出せずにいた。

「ねえ　私にしてくれる？」

私は　申し出た。

彼女は　うれしそうにうなずいて　その癒す力を私にしてくれた。

私は彼女に感謝した。

私は今回の入院のテーマが　すべての愛をより多くの愛を受け取ることだということを決めていたから。

それからの彼女は　片道3時間かかるのに　毎日のように　私の病室へ来てくれた。手術前も手術後も。

そして　退院すると　いつものように　ぱたっと　音信不通となってしまった。

今ごろ彼女は　また　毎日その宗教団体の修練場というところに　通っているのだろう。

彼女は　私が身体的危機をむかえるたびに　いままでも　私の所にきて癒しの技を施してくれていた。

私は　いつも感じていた。

私は　目をつぶって　額の部分に彼女の手のひらからでる癒しの力を受けていた。

彼女の手のひらから　でている光が　私は　見えていた。

彼女の愛の力が　光となって　出ていることを知っていた。

そこの宗教団体に所属しているから　出ている光ではなく　彼女の人を思う気持ちから　光がでていた。

「あのね　その団体のペンダントをつけなくても　あなたの光は　だせるよ」

私は　言った。

「私は　いろいろなことが知りたいの　だから　ここの団体にいるの

あなたは　なぜ　そんなに簡単に　私の癒す力を受け入れてくれているの？」

「私は　みんなの愛がほしかったから。私のところに集まってくる愛をすべて　集めよう。私の体の中に全部集めようって決めているから。」

私が翌日に退院する日を迎えていた。

彼女は　最後の見舞いに来てくれた。

「それで　あなたの集まるところはどこなの？」

私の話をいろいろ聞いていて　どこの団体に所属しているのかが　気になったようだ。

彼女には　その団体のシンボルとして　一つの場所があった。1箇所に月に一回全国各地から　何時間もかけてたくさんのお金をかけて　移動して　信者が何千人も集まり頂点の教祖の話を聞く為に通っていた。

「私はね　集まる所はないの。ねえ　知ってる？　みんなの集うところって　ここだよ　どこへ行くでもない。ここにあるんだよ」

私は　自分の胸に手を置いてみせた。

「そして外に出て　この両手を空いっぱいに広げてごらん。こんなにたくさんの愛があるんだよ。ねえ　何か感じない？そして私の行くところは　ここ。いつでもどこでも。

思いついた場所で私は　両手いっぱいに空に向かって手を広げる。私の集うところはここ。

どこかの場所にしか　神がいないのは　間違い。そんなふうに集まらなくていいんだよ。いつでもどこでもあなたは守られているんだから。」

でも　彼女は　こうやって話をする私の集う場所をさらに知りたくて知りたくてしょうがないようだった。

「私は　どこにも行かない。ここだから。ねぇ　何にもこわがらなくていいんだよ。なんにもおびえなくていいんだよ。あなたは　首にぶら下げているものがなくても　光は出せているから。愛を込めてハートから　放出すればいいんだよ。　ねえ　気づいて。」

彼女は黙ってにこにこと　私の話を聞いていた。

「だあれもえらい人はいない。、共にいるんだよ。みんなが。あなたはあなたの魂と共に。そして　私は　私の魂と共に。そして　これらの魂は同一のもの。そして　みんな一緒にいるんだよ。ねぇ　気づいて。」

黙って聞いている彼女をみながら　「世界は一つになる。」と私は感じた。

「私はね　今いるところがとっても居心地がいいの」

といって彼女は病室を出ていった。

彼女は　たくさんのことを知りたがっていた。

そして　それを教えてくれるのは　この宗教団体しかないと　信じていた。

でも　彼女の心には　愛があった。だから光が出ていた。

彼女が楽しんでいれば　私は　いいと思った。

どんな団体に所属していても　何にもおびえることなく　毎日が楽しくできることがあるなら　私は　いいと思う。

ただ　愛を持っていてくれさえすれば。

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私の義弟。　彼は　気功の勉強をしていた。

彼は　私が　癌だと知り早速　気功の治療を行いたいと電話で申し出てくれた。　

しかし　私の住んでいるところからは　とても離れているので　会うことができなかった。

かれは　遠隔気功をしたいと申し出てくれた。

それからの夜９時からの１０分間　毎日私は彼と共にいた。

彼の出す　愛の力を受け取っていた。

彼は　私が癌だということを知ってからの毎日　私が手術を終えて退院する日まで　愛を送り続けてくれた。

遠隔気功をはじめて　３日くらいすると　電話がきた。

「その癌が　消えてきたみたいだ　何か変化はない？」

私は　あいかわらず　癌を楽しんでいた。

みんなの愛を受け取るために。

「ねえ　手術は　もしかしたら　いらないんじゃない？

だって　遠隔気功で　２日目くらいから　癌の悪いイメージが僕には感じられなくなっているよ」

と彼は言っていた。

私はそのころには　もう決めていた。

手術は受けると。

私は　たくさんの愛を受け取り　そして　手術を受けることにしていた。

気功という　愛をも受け取った。

いつも「忙しい忙しい」と言いつづけている　おば達は　忙しい中　愛を持って　３時間も電車にゆられて　病室まで　見舞いにきて　私に顔を見せてくれた。

私は　みんなの愛を集めはじめた。

私の手元には　愛がたっぷり集まった。

ますます私は楽しくて　病室で　笑ってばかりいた。

ときどき　同室の見まい客に　

「私は癌なんですよ」

と話しかけたりした。

すると　皆　一瞬息をのむ顔をしていた。

「私は　その反応が他人事のように感じられて　笑わずにはいられなかった。

「癌ってそんなにすごい病気なの？」と。

私のいる        ４人病室は　いつも笑っていた。

手術後の痛みも皆で分け合って　楽しい話ばかりしていた。

別の病室の人が

「ここは　オーラがちがうねー　とても居心地がいいよ」

と言いながら　たびたび　訪れるので　いつも定員以上の人たちが集まっていた。

見まわりに来る医師達も

「ここは　楽しいね」

と言って　笑いながら病室から出ていくこともあった。

私は　精神世界の話など一度もしたことがなかった。

なのに　数人の人が「ここのオーラは違うね」といっていた。

私は　ちょっと意外だった。

でも　確かにこの病室は　そして私は　愛のオーラに包まれていた。

思えば　私は　愛を集めることができなかった。止められていた。

私は　自分のやりたいことがあったので　山奥の森の中に家族で住み始めて、ほとんど親戚達との交流をしていなかった。

私は　癌と告知された瞬間に　親戚中が「笑う」と感じた。

「ほらあんな好きな事ばかりしているから　ばちがあたったんだよ」

って声がきこえている感じがした。。

だから　子どもにも伝えられなかった。

夫には　口止めをした。

私が癌になったことは　誰にも言わないようにって。

私が死んだ後も特に伝えなくていいと。

私は　この運命をのろった。「なぜ私だけなの」と。

仕事のこと家族のこと　今まで築き上げたことが　よくわからなくなってしまっていた。

毎日が打ちひしがれていた。

　母親と同じ体験をしなくてはいけない恐怖と向かいあい　母親と同じように残された人たちへ　何をしておくべきかを考えつづけた。

私は　告知されて　ふらふらと自分自身を失っている間に　その医師の意思のレールに乗せられ　入院してしまった。

1度目の入院の時に　私は　死のうと決めつけていたようだ。

これ以上はもう無理だから死のうと決意していた。

そして　うまく医師の診断もそのように誘導されていた。

いままで　読んでいた精神世界の本の記憶なんて　どこかに消えてしまっていった。

ただ　次々と提示される内臓検査を受けつづけ　病室には　見まいの人誰一人近づかせなかった。

夫にも子供達にも。私が入院している姿を見られるのがいやだった。

外泊許可の日だけ　自宅に戻り　心の中で　すべてのことを憎みつづけた。

　私は　自分が癌と向かい合っていることから目をそらそうとした。

　家族達は私がいないと何も出来ないんだと決めつけ　私は彼らのだらしなさを責めつづけていた。　家族の悪いところ探しをしていると自分を見なくてすむという感覚だった。

家の中は　癌患者特有の　とげとげとして嘆き悲しみ　びくびくとした　全く愛や優しさの感じとれない形となっていった。

家族の前では　泣くことを見せないようにしていたが　なぜか　息子の前でだけ　私は泣いた。素直に癌という病気に対して泣いていた。

今　

私は　2度目の入院は楽しんでいた。

ヒーリングセッションを楽しんだ。

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