ヒーリンクセッションが1ヶ月を過ぎようとした頃　ヒーラーは　再度医師の診察を受けるようにと私にすすめた。

私は　ヒーリンクのおかげて

宿題もきちんとこなし　体調もよくなり　家族も明るくなり　精神的な外科手術を受けたというイメージを強く持っていたので　その話には　心すすまなかった。

その頃には　癌の自覚症状も　もちろん　まるでなかったから。

でも　セッションに行くたびに　ヒーラーは私に病院行きをすすめた。

私はヒーラーに訴えた　

「いろいろなプロセスで　精神的には　もう癌は治っている。なぜならばこんなにたくさんの宿題をこなしてきたから。そしてちゃんとヒーリングも受けに来ているし。光も感じ初めているし。家族もみんな　このヒーリングで治るって信じているし」と。

確かに　私は　ヒーラーのおかげで　たくさん癒されていた。

ヒーラーの力は本物だった。

ヒーリンクのおかげで癌が小さくなっていっているのも　感じていた。

「私が　今　病院をたずねれば　また　あのレールに乗せられてしまう。

そして　ここには　もう来れなくなってしまう。」

といって　泣いた。

ヒーラーは　私に言った。

「それがすんだら　またここにくればいい。いつでも　あなたは　来れるから。　そして　今　あなたがすることは　病院へ行くこと。　愛を集めること。たくさんの愛を集めてゆくことが大切なの」

その日の夜　私は　自宅で　子宮から　大出血を起こしてしまった。

５時間にわたり続くとまらない出血である。

通常なら　出血多量ショックの状態だという。

私の心は　明るく晴れ晴れとしているのに　体がこのような返事をするのでは　と感じ　以前手術受けようとしていた病院とは　異なる病院の医師をたずねた。

「今　癌はどうなっていますか？」

４月の時点で　中期といわれていた癌が　３ヶ月たった今　この病院でのさらなる検査で　癌が大きく変化しているといわれた。

そして　進行性の癌に変化してしまっているという。

フィーリング的に　その医師を信頼することができたので　すべてをおまかせすることとした。

私は　手術を受けるということを自分に許した。

そして家族みんなに　「今もまだ　癌である」ということをそして　「明日から入院する」ことを伝えた。

そして　最後の宿題である　親戚中へも伝えることにした。

「私は　癌なの　明日から入院します。どうかみんな　治るように祈ってください。みんなに言いふらして頂戴ね」

と　一番身近な親戚一人に電話で伝えた。

夜の９時。

「どのくらいこの話がひろがるかなぁ」

って　こっそりわくわくしながら　受話器を置いた。

私は　私の癌のためにすべてのできるだけ多くの愛を受け取ろうと決めていた。

私のできるすべてのエネルギーをもって癌に立ち向かおうと決めていた。

「リーン」

１０年来　連絡の途絶えていた姉から　電話がきた。

姉は「すぐ会いたい」という。

やはり１０年来　連絡の途絶えていた父から　メールが届く

「どうか　気をおとさないで」

父は　１０数年前に妻を癌でなくしていた。私の母である。

母は　癌発病後　１０数年　入退院を繰り返し　転移しつづけた癌の切除手術の連続で　体が弱り死んでいった。まだ　４８歳であった。

私は　この一部始終を見つづけていたから　自分の癌の告知には　その先のレールがどうなっているのかは　知っていた。抗癌剤は打つであろう。

そして入退院の繰り返しがスタートするんだと。

何よりも　　その母の妹達は私が癌であるという知らせを受けて　大変慌てていた。

亡き母に頼まれたのだろうか。

母が亡くなったあとは　私にとっては母変わりをつとめていて　常に気にとめていてくれていたから。

母のすぐ下の妹は　電話口で涙をのんでいた。

「次は　　私が癌になるつもりだったのに　そっちに行くなんて。」と。

ま　とにかく　私が癌という話は　皆に予想通りに知れわたった。

「さて　頂きましよう。みんなの愛を　」

私は　受け取る態勢ができた。

私の身辺には　いろいろな人間がいる。

科学をかたくなに信じて　どんなことにでも　論理的かつ現実的な解釈を好む人・見ないと納得しない　見たことしか認められない人・宗教団体に所属して　幹部クラスになっている人・今はやりの気功に夢中の人・そして　大人達と　子供達・。

どんな人でも何やっている人でも　いい。

愛さえあれば　それでいい。

私は　皆の思いがほしかった。

そして　皆　私に言葉を使って　　愛を送ってきてくれた。

私は　親戚中と　つながった。

そして　それを感じられた瞬間に

「まだ私は　死ねない」

と感じた。

私は　癌の告知後　死を覚悟して　自分が死ぬことを受け入れようとしていた。

でも　今日　この瞬間に生きることに決めていた。

翌日入院。

癌が大きくなっているようなので　ひとまずどんな治療が始まってもいいと覚悟しての入院・手術である。

でも　私と夫は　今度の入院では　治るという確信を得ていた。

私は　手術に対して　何もうちひしがれる心はなく　今現在の自分の人生に満足した状態で2度目の入院する日を迎えていた。

なぜなら　私は　親戚中のたくさんの愛を集めることができたから

そして　ヒーラーに言われていた最後の宿題を完了していたから。

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